
影
人間が心の中で無意識にイメージする表現の基本的な型を、ユングは元型と呼んだ。これは、人が行う普遍的なイメージを類型化し、把握することが、心理学的に便利だったからと考えられる。
影(shadow)は、その人が抱える特性のうちの生きることができなかったもう一人の自分、表に出すことを許されなかった心的内容。文字通り、その人の暗い影の部分のことを指す。
例えば、「女は頭が悪いから嫌いだ」と主張する男性がいたとする。しかし実際には、高学歴な女性もいるし、機転が利く、頭の回転が早い女性もいる。しかしこの男性がそれを認めることは、自分の影と直面させられるという恐怖である。多くの人は何らかの自分の影を持ち、抑圧したり、見ないようにしている。
ただし、この抑圧があまりにも強すぎて、自我と影との交流が阻まれていると、影は自我に対して反乱を起こす。この現象が最も劇的に起こるのが多重人格といった現象である。
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